症例
若年者に認めたPaget氏病
高橋 武治
1
1東京逓信病院外科
1pept of surgical Clinic Tokyo Teishin hospital
pp.367-369
発行日 1957年4月20日
Published Date 1957/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201979
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主として女子の乳頭或いは乳輪を侵し,長期間発赤,糜爛,分泌,落屑を繰返す慢性湿疹様変化が普通の湿疹と異なり長期間の後に乳癌を発生する特異な疾患をJames Paget(1874)が臨床病理学的立場より癌先駆症として発表して以来"Paget's disease"の名称で呼ばれる様になつた.
本邦に於ては近藤教室関口(明治44年.1910)の発表を嚆矢とし以来症例の報告をみている.臨床家は癌先駆症説,病理学者は原発癌説を唱えて長い間の論争の焦点であつたが,現在大なる乳管より生ずる髄様癌として一般に認められて居る.
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