Japanese
English
症例
膵臟結石の1手術治驗例
A recovered Case of Pancreatolithiasis
河合 武夫
1
Takeo KAWAI
1
1新潟大学医学部外科教室
1Depart. of Surg. Niigata University School of Medicine
pp.44-47
発行日 1954年1月20日
Published Date 1954/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201367
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
膵臟結石は今日尚極めて稀な疾患であつて,1667年Graafが初めて本症を記載してから1946年までMo—urao及びSchindlerによると324例の症例報告があるに過ぎず,本邦に於ても阿部,望月,岡本,木下,宮村 中野,村山,富田,田宮,立入,小林,工藤,堀口,内藤氏等による16例の記載が見られるだけである.本症の発生頻度が稀であることは剖檢例の檢索からも明らかで,Simmondsは36000体に19例(0.053%).Edmondson及びBullockは36000体に26例(0.072%)を証明しているのみである.從つて膵臟結石の臨床的診断は容易ではなく,他の疾患と屡々誤られる.1896年にPearce Gouldが初めて膵臟結石を手術により剔出治癒せしめ得てから今日まで,欧米に於ても数十例,本邦に於ても僅か堀口,内藤の2例にしか過ぎない.
最近教室に於て膵臟結石の1例を手術により剔出治癒せしめ得たので,その所見を記し症例を報告する.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.