Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1
生理状態では体内を循環する血液量はほゞ一定であるが,外科の臨床殊にショックでは著るしく減少がみられることは.Cannon(1918)以来多数先人の業績から明かとなつた,常にショックと斗はなければならぬ外科臨床に於ては,循環血液量の変化を覗うことは,GB,GPによつてその概略を推しうる血液の濃縮乃至稀釈,血漿蛋白値を,更に精確に知り得て,状態の把握並びに治療に確実な根拠を與えることになるであろう.然しながら循環血液量測定法には未だ完全な良法がないことは周知の如くである。一酸化炭素吸入法(Grehaut and Quinquard,1882;Van Slyke and Robscheit-Robbins,1927;Chang and Harrop,1928).色素法,血糖による法(Markowitz,1936).理化学的測定法,或いは放射性同位元素による方法等種々あるが,最も広く用いられているのは色素法であろう.即ちVital red又はBrilliant vital red法(Keith,Rowntree & Geraphty,1915;Smith 1925)Trypanrot法(Seyderhelm und Lampe,1925).Evans blue法等があり,米國文献によればEvans blueが專ら用いられているかにみえる.すなわちDawson,Evans and Whippleは1920年青色アゾ色素で1-8-amino-2-4-Sulphonic acidの2分子を結合したOrtho-toluidine(所謂T-1824)が循環血量測定に用いる色素として最も優秀であるとした.Gregerson殊にNoble & Gregerson(1945)はGibson & Evans(1936),Gibson & Evelyn(1938)の方法である光電比色計による10分値が,精確な値であることを詳論した.現在この方法が広く用いられでいるようである.
Evans blueにはT-1824のほかにT-1836,D-1824,D-1836がある.
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.