ひとやすみ・105
クレイマー
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.1301
発行日 2013年11月20日
Published Date 2013/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104852
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- 文献概要
デパートや銀行をはじめ多くの商業施設では「ご意見承り箱」を設置し,利用者の意見を積極的に受け入れ,施設の改善に努めている.当院でも「ふれあい箱」を玄関ホールや病棟に設置し,患者さんからの意見を集めている.そして院長が必ず翌日に読み,関係する部署に投書を回して対処について検討する.また投書していただいた患者さんには返事を書くとともに,投書に対する対応を病院広報誌などにて公開することにしている.
投書内容は稀にお褒めの意見もあるが,職員の対応への不満や施設の不備を指摘するものが圧倒的に多い.そして職員の対応に問題がある場合には当事者の意見を聞き,改めるべき点を指導している.また指摘された施設の不備は,できるだけ迅速に改善することにしている.しかし,職員に対する不満の多くは誤解に基づく批判であり,また施設の不備の多くは経営的に余裕がないために改善できないことばかりである.そもそも国の医療費抑制政策により,全国の医療機関は人的にも経済的にも疲労困憊しているのが現状である.
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