特集 癌治療のプロトコール2005-2006
Ⅶ.膵癌治療のプロトコール
癌研有明病院消化器センター肝胆膵グループ
山本 順司
1
,
斎浦 明夫
1
,
古賀 倫太郎
1
,
野呂 拓史
1
,
関 誠
1
,
大矢 雅敏
1
,
瀬戸 泰之
1
,
大山 繁和
1
,
山口 俊晴
1
,
高野 浩一
1
,
浅原 新吾
1
,
清水 深雪
1
,
藤田 直哉
1
,
亀井 明
1
,
猪狩 功遺
1
1癌研有明病院消化器センター肝胆膵グループ
pp.223-226
発行日 2005年10月22日
Published Date 2005/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100227
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原発性膵悪性腫瘍の80~90%近くを占める浸潤性膵管癌(以下,膵癌)の悪性度は固形癌のなかでも際立っており,根治的治療によってもその予後が不良であることはよく知られている1).本稿では,そのような悪性腫瘍に対する当院での治療法のプロトコールについて解説する.
術前診断とステージング
診断において最も重要な点は膵実質内の腫瘍性病変の描出と膵管の拡張である.通常は腹部超音波検査やCT,MRIで膵内の占拠性病変が描出され,それより末梢の主膵管拡張が確定診断の根拠となる.TS1膵癌(径2cm以下)では腫瘤そのものの描出が困難なことも多い.拡張主膵管の途絶部膵頭側に体外式超音波検査やCTで腫瘍が描出されない場合には,超音波内視鏡(EUS)が有用である(図1).
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