Japanese
English
特集 高次脳機能のマッピング
6.Awake surgeryによる言語野の決定
Definition of Individual Language Related Area by Awake Surgery
嘉山 孝正
1
,
佐藤 慎哉
1
Takamasa Kayama
1
,
Shinya Sato
1
1山形大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Yamagata University School of Medicine
キーワード:
awake surgery
,
cortical mapping
,
eloquent area
,
language
,
propofol
Keyword:
awake surgery
,
cortical mapping
,
eloquent area
,
language
,
propofol
pp.151-160
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901724
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Awake surgeryの必要性
大脳の機能局在は,古くから神経科医や精神科医たちの関心の的であった。そして,それらの臨床家たちが脳機能局在論に立った脳疾患の研究から,実際に様々な脳の機能局在を明らかにしていったのである。たとえば,Broca8)は1861年に運動性失語症を呈した患者の剖検脳から,Wernicke38)は1874年に感覚性失語症を呈した患者の剖検脳から,それぞれ後にBrocaarea,Wernicke areaと呼ばれることになる部位に病変があることを確認したのは有名な話である。それらの知見は,Wernickeの弟子Kleist18)による「脳の構造と機能図(1922-1934年)」としてまとめられ,さらにCushing9),Foerster10),Penfield30)などにより脳手術の際に確認されるに至った。これら先人たちの業績をもとに,脳神経外科手術においても機能局在を考慮した手術方法の必要性が認識された。しかしながら,古典的な形態学に基づく脳の機能局在同定方法では,脳回の個体差や病変による偏位により,個々の患者における機能局在を同定することは困難であった6,26)。たとえば,大脳の優位性一つにしても,利き手や脳の形態からは同定できず,実際右利きの患者であっても優位半球が右の場合や,逆に左利きの患者であっても優位半球は左,あるいは両側の場合があることを考えると理解しやすい。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.