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特発性に発生した頸部内頸動脈解離の1例を報告した。患者は,頸部痛にて発症し,その1カ月後に一過性脳虚血発作,さらにその3日後にはRINDを来した46歳の女性である。MRI,脳血管撮影,脳循環測定により,左内頸動脈の特発性解離による脳虚血症状が出現したものと診断し,血流動態改善のため左浅側頭動脈—中大脳動脈吻合術を施行した。
この疾患の診断において,脳血管撮影はMRI同様に重要な検査であり,解離による内頸動脈狭窄は,ほとんどの症例で内頸動脈分岐部の数センチ遠位から頭蓋底部までであり,本疾患に特徴的な血管写所見であると考えた。
本疾患の治療方針は,脳循環動態の注意深い経過観察と,その自然経過とを十分に考慮したうえで決定すべきであるが,内科療法で十分な効果が得られず,脳血流低下に基づく切迫卒中の際には,時期を逸せずに外科的血行再建を行うことが本疾患の予後の向上につながるものと考えられた。
We report a patient with spontaneous cervical internal carotid artery (ICA) dissection.
A 46-year-old woman had experienced left neck pain for 10 days. One month later, she was admitted because of the sudden onset of right hemiparesis and left amaurosis, which lasted for 30 minutes. On hospital day 3, the patient experienced the sudden onset of right hemiparesis and total aphasia, which lasted for two weeks.
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