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編集後記
遠藤 實
pp.429
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206306
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- 文献概要
東大生理の伊藤正男教授は今年度限りで定年退官されるが,先日,その伊藤先生の「小脳と大脳」と題する最終講義を拝聴する機会があった。長年の先生の系統的な小脳研究の成果に立って,深い思索により築き上げられた,先生の脳機能理解のエッセンスをお話し頂いたわけで,小脳と大脳の鮮やかな対比,それらの機能の役割分担と,より高次レベルにおける連合などを,簡潔,明快に説明された,実に素晴らしい講義であった。先生の脳研究への情熱がひしひしと感じられたし,久しぶりで大きな刺激を受け,感銘深かった。
その中で,伊藤先生は,生理学は物事を説明する学問である,と言われ,その言葉通りまさに生理学者らしく,小脳と大脳の機能についての見事な説明を与えられたのである。
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