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Kugelberg & WelanderがCong. Scand. Neurology (1952)で,Duchenne型ジストロフィーに似た遺伝的家族的疾患として報告した。ついで,Arch. Neurol. Psych (75:500,1956)でその症状を.清述しheredo—familial juvenile muscular atrophyと命名,その共同研究者であつたWohlfart (Acta psych, scand.30:395,1955)はhereditary proximal spinal muscular atrophyと呼んだ。主病変は前角細胞,四肢の中枢側筋群(臀筋・大腿筋群,やがてあるものは上肢中枢側の筋)へいく運動線維のdegenerationであるといつてよい。顔面・頸部の諸筋は犯されず。末期にはdistal muscleにもatrophy生ず。従つて症状はlower motor neu—rone disorderということになり,筋弱・消耗・反射減弱という所見がある。Kugelbergらは12例,Wohl—fartは7例を報じたが,ずつと数多く,米国では伸経病学教科書にも出ている。筆者はA家両親に10名の子あり♀1,♂2が典型的な本症であることを見出した。発見の系口は第6子♂,生後12ヵ月のとき診察し,従来pseudohypertrophic mus—cular dystrophyといわれていたのをDuchenne型ジストロフィーの異型であろうと考え,13歳になるまで観察し,同時に家族を精査し,本症と決定し3例を同定したわけだが,他は筋電図,臨床像正常。ついでB家族,母親が本症,3人の子のうち第2子♂,第3子♀が本症,の3名あるのを発見した。biopsy,酵素所見は正常,EMGで本症特有の所見。Dubowitz (Brain 87:707,1964)は進行緩慢な2家族の2例の小児に"infantile muscular atrophy"というのを記載しているが,本症に一致するものであろう。遺伝は性染色体によらない劣勢である。Magee(Arch. NeuroL.2:677,1960)は優性遺伝らしい例を報じている。
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