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■信念と熱情,真摯な努力を惜しまぬ所員
フィラデルフィアはアメリカという新しい国のなかでどことなく歴史的な感じのあるおちついた美しい町である。この市の北西隅に深い木立にかこまれたChestnut hillという丘がある。この丘の一角にThe Institutes for the Achievement of Human Potentialの研究所が立つている。同研究所にはThe Institute of Language Dis—ability, The lnstitute for Neurological Organization, The Institute for Developmental Reading, The Institute for Early Learning, それにThe Rehabilitation Center at Philadelphiaが含まれている。
このRehabilitation Center at Philadephiaのこまかな歴史について私は知らない。世界に名をはせた有名な病院とは違つて中枢神経損傷患者のいわゆるリハビリテーションという地味な仕事をやつているだげに,何もかもが平凡で地味な感じが強い。一見平凡だが精力的な研究所長,Mr. Glenn J. Doman,その弟で温厚なMedicalDirectorであるDr. Robert J. Doman,それに小児脳外科医としてすでに名のあるDr. Eugene B. Spitzや,心理学者のDr. Carl H. Delacato等が中心になり,志を同じうする医師たちが集まつて新しい何物かを開拓しようと懸命に努力している。このフィラデルフィア・リハビリテーション・センターに関係した1年間に,私はこれらの人々のアイデアに対する信念と熱情,それに真摯な努力を惜しまない姿を見て,これがアメリカ人のfrontier spiritだと深く感じたものである。
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