Japanese
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特集 大脳辺縁系
無拘束ネコにおける海馬の電気活動パターン
HIPPOCAMPAL ELECTRICAL ACTIVITY OF THE UNRESTRAINED AWAKE CAT
原 俊夫
1
,
原 常勝
1
Toshio Hara
1
,
Tsunekatsu Hara
1
1慶応義塾大学医学部神経科
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio Universty
pp.895-898
発行日 1961年11月1日
Published Date 1961/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201146
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はじめに
新皮質が不規則な低振巾速波(皮質覚醒波)を示す際,海馬では同期した規則的な高振巾徐波(いわゆる海馬覚醒波)が認められることについては,Green&Arduini1)以来多数の研究が発表されている。しかしそれらは急性実験によるものが多く,無拘束の慢性動物では,急性実験に比較して海馬覚醒波の持続的出現をみることはかなり困難である。われわれは慢性実験において海馬覚醒波を起す条件を追求する目的で以下の実験を行なつた。
実験動物は2000g以上のネコを用い,導出と刺激のため,皮質下には極間1〜1.5mmの双極針状電極を定位的に挿入し(位置は実験終了後組織学的に確認)皮質にはスクリユー電極を装着した。実験は手術後1週間以上を経てネコの状態の回復をまち,観察箱中を自由に行動できるようにして行なつた。
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