Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
定位的腦深部手術stereoencephalotomyの構想と最初の定位的腦深部手術装置がフイラデルフイアのE. A. Spiegel and H. T. Wycisによつて發表されたのは1947年であつた。動物の腦に對してクラークの装置が適用されるように,人間の腦深部に對してもその各部位を同じような方法によつて選擇的に手術することができないものであろうかという夢は,こゝにその實現の歩を踏み出したのである。これまでこの種の試みを妨げていた最大の難點は,各個體によつて腦深部各部位(主として基底核)の局所解剖學的な相互の關係が異るということであるが,このことは後にのべるように,腦室系を氣腦術によつてレントゲンフイルム上に正確に造影し,その近接部位の位置的關係を確定すること,ならびに精密な定位的腦深部手術装置を製作することによつて,一應克服されたものである。この種の試みが最近に至つて各國で略々時期を同じくして始められた動機の1つは,いわゆる精神外科との關聯である。よく知られているように,ロボトミー切截後に見られる第二次的變化の最も重なる部位の1つが視床内側核であり,その意味からロボトミーのように廣汎な侵襲を行うよりも,むしろ限局的に視床内側核を直接的に破壞することの方が,より効果的でかつ不愉快な随伴症状を避けうるのではないかと考えられて,手術目標が先ず視床内側核に向けられたのである。したがつて初めのうちは,装置の製作や操作もそのために考えられた。しかし現在では視床は關心の1部であるにすぎず,他の多くの基底核,たとえば視床外側核,線状體,あるいは淡蒼球,さらに中腦における痛覺纖維經路等さえも手術の對象とされているのである。この小論においては,われわれの現在までに試みてきた手術装置ならびに手術の大要と,それに關連して各國で行われている同じょうな試みについて,綜説的に紹介してみようと思う。
われわれの研究室においてもSpiegel等と前後して,しかし全く別個に腦深部手術装置の製作を開始し,戰後の困難な社會情勢に妨げられながらも,1948年に第1次の装置を完成したのである。現在ではすでに第2次の装置をも2年前に完成し,手術は主にそれを用いて行われている。装置の設計は主として内村教授指導のもとに,楢林によつてなされたのであるが,その製作は島津製作所東京工場(池田榮氏)に負うものである。
Several trials until now about stereoenceph-alotomy in many conntries are introduced.
Second model of stereotaxic instrument for operation on the human basal ganglia in our laboratory, which was completed 1951, is charac-teristic in two points. As the first point, it should be used in the supine position of the patient, though all other models were designed for the use in the sitting position of the pati-ent. As the second point, the model II is sim-plified in its structure, the needle should be controled only by one angle- and two sliding scales. The model I had three angles.
The basic theory of our Stereoencephalotomy is almost the same as other trials. Three co-ordinates of the point to be inserted are deter-mined on the pneumoencephalographic films referring the Porus acousticus ext. as the zero point. The horizontal coordinates plane is Reid's line, connecting the Porus acousticus externus and the inferior ridge of orbita.
Until now we have tried 1) thalamotomy for the eretic feeblemindedness 2) Procaine Oil blocking of the Globus Pallidus for Athetosis double, bilateral. 3) Procaine Oil blocking of the Globus Pallidus for Parkinsonism. The results were reported on the papers cited in references.
Fig.1 shows the 2nd model of our laboratory,
Fig.2 is the schematic representation of the operation
Fig. 3 is the Ⅲ medel of Dr. Spiegel and Dr. Wycis
Eig. 4 is our neodle for electrocoagulation
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.