Japanese
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特集 脳卒中治療ガイドライン2004―内科医からみたコンセンサス―
1.脳卒中の一次予防
Primary Prevention of Stroke
内山 真一郎
1
,
中村 智実
1
,
赫 洋美
1
Shinichiro Uchiyama
1
,
Tomomi Nakamura
1
,
Hiromi Terashi
1
1東京女子医科大学附属脳神経センター神経内科
1Neurological Institute, Tokyo Women's Medical University
キーワード:
stroke
,
risk factor
,
primary prevention
,
guidelines
Keyword:
stroke
,
risk factor
,
primary prevention
,
guidelines
pp.907-919
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100355
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はじめに
2004年初頭にわが国で初めて脳卒中の治療に関するガイドラインが発表された。この「脳卒中治療ガイドライン2004」 1)は,日本脳卒中学会が中心となり,脳卒中の診療に関与する日本脳神経外科学会,日本神経学会,日本神経治療学会,日本リハビリテーション医学会から選ばれた委員により脳卒中合同ガイドライン委員会が組織され,膨大なエビデンスが収集され,それらが吟味され,吟味されたエビデンスに基づいて推奨内容と推奨レベルが委員会のコンセンサスにより決定された。
筆者はこのガイドラインの中で脳卒中一般の発症予防,すなわち脳卒中の一次予防のガイドライン作成を担当した。この分野はカバーする範囲が非常に広く,収集された情報は膨大な量に達したが,今回のガイドラインではこれらの中からエビデンスとして確立されている危険因子として高血圧,糖尿病,高脂血症,心房細動,喫煙,飲酒を取り上げた。本稿では,これらの危険因子についてガイドラインでの推奨内容と,根拠となったエビデンスについて概説する。なお,図として供覧すべき成績は数多くあるが,誌面の制約があることから,ガイドラインの作成以後に発表された最新のコホート研究やメタアナリシスの成績を中心に掲載する。
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