Japanese
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シリーズ 日本各地の憑依現象(9・付録)
韓国の神病—その臨床像,力動および文化的な意味付け
Shin-byung (A Divine Disease): dynamic and cultural implications
金 光日
1
,
金 大虎
2
,
吉永 真理
3
Kwang-iel KIM
1
,
Dae-ho KIM
2
,
Mari YOSHINAGA
3
1漢陽大学医学部神経精神医学教室
2慶南公立精神病院
3東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻人類生態学教室
1Department of Neuropsychiatry, Hanyang University
2Department of Psychiatry, Keyongnam Public Mental Hospital
3Department of Human Ecology, School of International Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
pp.325-330
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904740
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はじめに
韓国には「降神巫」と「世襲巫」という2つの異なったタイプのシャマンがいる。前者は己の意思にかかわらずシャマンになった人々のことを言い,後者には親族から学んでシャマンになった人が含まれる。降神巫になるには精霊の召命のお告げが不可欠である。こうした精霊のお告げという現象が神病(shin-byung)であり,巫病とも呼ばれている。しかしながら神病となったもののすべてがシャマンになるわけではない。そして逆に彼らの大多数がシャマンにならないために,葛藤を経験している。この葛藤が神病の経過を悪化させたり,早めたりする。こうしたケースでは精神科医が必要とされる。
最近になって,DSM-IVにおける文化結合症候群への認定といったいくつかの動きによって,hwa-byung(火病)と神病は再び注目を集めることとなった。
本論において,我々は神病の臨床像と精神力動上の意味付けおよび韓国の伝統文化との関連について紹介したいと思う。
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