Japanese
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私のカルテから
下剤による低カリウム血症から横紋筋融解症を来した精神分裂病の1例
A Case of Schizophrenia with Rhabdomyolysis Caused by Hypokalemia Following the Repetitive Use of Purgative
松本 好剛
1
,
西尾 洋美
2
,
谷 直介
1
Yoshitake MATSUMOTO
1
,
Hiromi NISHIO
2
,
Naosuke TANI
1
1精華園
2京都府立医科大学精神医学教室
1Seikaen Mental Hospital
2Department of Psychiatry, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.850-851
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904381
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- Abstract 文献概要
横紋筋融解症は,種々の原因により骨格筋細胞が急激に崩壊することにより,筋肉の脱力や筋痛を呈し,CPK(creatine phosphokinase)などの骨格筋細胞内の酵素が血液中に流出した病態であり,精神科領域でも抗精神病薬によるもの2,6),悪性症候群に合併したもの1),水中毒に伴うもの3),同一姿勢保持によるもの4),昏迷時の脱水によるもの5),などの症例報告がなされており精神科臨床において決して希な疾患でないことが認識されてきている。今回,抗精神病薬の副作用の1つである便秘に対して連日大腸刺激性下剤を用い,著明な低カリウム血症から横紋筋融解症に至った症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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