Japanese
English
研究と報告
病的多飲水により尿路系の異常を来した慢性精神分裂病の1例—1日尿量,血清Na値,体重日内変動の長期経過と低緊張性膀胱に対する泌尿器科的治療の検討
A Case of Schizophrenia with Urinary Tract Abnormality due to Psychiatric Polydipsia
不破野 誠一
1
,
中山 温信
2
,
伊藤 陽
2
,
松井 望
2
,
荻野 和子
3
,
高木 隆治
4
Seiichi FUWANO
1
,
Harunobu NAKAYAMA
2
,
Noboru ITOH
2
,
Nozomi MATSUI
2
,
Kazuko OGINO
3
,
Ryuji TAKAGI
4
1国立療養所犀潟病院精神科
2新潟大学医学部精神医学教室
3国立療養所犀潟病院内科
4新潟労災病院泌尿器科
1Department of Psychiatry, National Saigata Hospital
2Department of Psychiatry, Niigata University School of Medicine
3Department of Internal Medicine, National Saigata Hospital
4Department of Urology, Niigata Rosai Hospital
キーワード:
Psychiatric polydipsia
,
PP
,
Schizophrenia
,
Urinary tract abnormality
,
LAPIDES vesicostomy
Keyword:
Psychiatric polydipsia
,
PP
,
Schizophrenia
,
Urinary tract abnormality
,
LAPIDES vesicostomy
pp.135-140
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904037
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【抄録】慢性の精神分裂病に伴う病的多飲水により,低緊張性膀胱,両側水腎症を合併した症例を報告した。この症例の1日尿量,血清Na値,体重日内変動の長期経過について検討し,泌尿器科的治療として行われたラピデス型膀胱瘻の造設が,これら検査所見と臨床症状の改善から本例に対しては有用であったことを示した。
これまでに慢性の精神障害に伴う病的多飲水の報告は多くみられるが,尿路系に異常を来した症例についての報告,特にそのような症例の検査所見や治療に触れた報告はない。今回の知見から,病的多飲水の管理には1日尿量,午後4時の血清Na値,体重日内変動の測定が有用であること,さらに多飲水が長期に及ぶ場合は尿路系の異常が生ずる可能性があり,残尿量の測定や骨盤部のCT撮影,経静脈的尿路造影(DIP)などの泌尿器科的検査が必要であることを強調した。
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