Japanese
English
研究と報告
治療経過中に特徴的なSPECT像を呈したてんかん精神病の1例
A Case of Epileptic Psychosis Developed Pronounced Images of SPECT in course of Therapy
窪田 孝
1
,
地引 逸亀
1
,
山口 成良
1
,
辻 志郎
2
Takashi Kubota
1
,
Itsuki Jibiki
1
,
Nariyoshi Yamaguchi
1
,
Shiro Tsuji
2
1金沢大学医学部神経精神医学教室
2金沢大学医学部核医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kanazawa University School of Medicine
2Department of Nuclear Medicine, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
Epileptic psychosis
,
SPECT
,
Dysfunction of limbic system
Keyword:
Epileptic psychosis
,
SPECT
,
Dysfunction of limbic system
pp.979-986
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204772
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抄録 左前頭側頭部の脳器質性変化を原因として発症した,てんかん精神病の症例を報告した。精神症状の発現機序として,左前頭側頭部にみられる発作性異常波より,temporolimbic systemのてんかん原性脳機能異常が考えられた。症状は意識レベルの低下を背景とした幻覚妄想,錯乱,興奮,汚言といった精神症状と,尿失禁,歩行障害,右手運動拙劣といった神経学的症状がみられた。SPECTによるrCBFの測定で治療経過により経時的な変化が得られ,左limbic systemのみならず,左半球の広い脳部位の機能障害による症状が考えられ,治療後に特徴的な関連脳部位でのrCBF低下が認められた。
CBZによる治療が著効を奏したが,これは精神病様症状に対して,CBZの抗てんかん作用も含めたlimbic systemに対する特異的な作用機序によるものと考えられた。
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