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短報
MAO-B阻害薬selegilineが著効を示した難治性うつ病の1例
A Case of Refractory Depression Responding to Selegiline, MAO-B Inhibitor
伊藤 研一
1
,
鎌田 光宏
2
,
樋口 久
3
Kennichi ITO
1
,
Mitsuhiro KAMATA
2
,
Hisashi HIGUCHI
3
1秋田大学医学部精神科教室
2由利組合病院精神科
3市立大曲病院
1Department of Psychiatry, Akita University School of Medicine
2Department of Psychiatry, Yuri General Hospital
3Omagari City Hospital
キーワード:
Selegiline
,
MAO-B inhibitor
,
Dopamine
,
Refractory depression
Keyword:
Selegiline
,
MAO-B inhibitor
,
Dopamine
,
Refractory depression
pp.1115-1117
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902727
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はじめに
難治性うつ病の診断について,「少なくとも2種類の三環系あるいは四環系抗うつ薬による治療を十分な用量で,十分な期間行ったにもかかわらず,うつ症状の十分な改善がみられないとき,難治性うつ病と診断する。」という井上らの提案がある3)。SSRIやSNRIなどの出現により,日常の臨床における治療の選択は広がってきているが,それでもなお多くの抗うつ薬に治療抵抗性を示す患者が存在するのも事実である。
今回我々は,数種類の抗うつ薬や電気けいれん療法によっても治療効果が不十分であったため難治性うつ病と診断され,その意欲低下に対してMAO-B阻害薬(monoamine oxidase type B inhibitor)であるselegilineが有効であった1例を経験したので,若干の考察を含めて報告する。
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