Japanese
English
特集 今,なぜ病跡学か
てんかんと病跡学
Epilepsy and Pathography
兼本 浩祐
1,2
Kousuke KANEMOTO
1,2
1国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター
2現,愛知医科大学精神神経科
1Utano National Hospital
2Department of Psychiatry, Aichi Medical University, School of Medicine
キーワード:
Epilepsy
,
Dostoevsky
,
Gastaut
Keyword:
Epilepsy
,
Dostoevsky
,
Gastaut
pp.175-182
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902375
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はじめに
最近の主要な精神医学・神経学の雑誌を通覧してみると,てんかんの病跡学に関して群を抜いて取り上げられているのは,ドストエフスキーとファン・ゴッホであり,他方,現在の臨床てんかん学を基準として検討した場合,既存の資料から診断的にてんかんであったことをほぼ確実に推定することができる事例は,有名な事例においてはおそらくはドストエフスキーとフローベールのみである。したがって,本稿では,稿の前半をこの三者を中心とした事例紹介に当てる。そして稿の後半において,てんかんの病跡学を,人に特有の意識構造の解明への寄与と病跡学における診断の意味に焦点を当てて考察してみたい。ただし,本稿での事例解説については以前の総説9)を若干の修正を加えて用いたことをあらかじめ断っておきたい。文献などは詳しくはこの総説を参照されたい。
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