Japanese
English
研究と報告
母体および新生児におけるロフラゼプ酸エチルの血漿中濃度変化について
Plasma Concentrations of Ethyl Loflazepate in Mother and Neonate
増村 年章
1
,
足立 卓也
1
,
臼井 直行
2
,
中野 義宏
2
,
三橋 直樹
2
Toshiaki MASUMURA
1
,
Takuya ADACHI
1
,
Naoyuki USUI
2
,
Yoshihiro NAKANO
2
,
Naoki MITSUHASHI
2
1順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院精神神経科
2順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院産婦人科
1Department of Psychiatry, Juntendo University Izunagaoka Hospital
2Department of Obstetrics and Gynecology, Juntendo University Izunagaoka Hospital
キーワード:
Ethyl loflazepate
,
Pregnancy
,
Neonate
,
Transplacental passage
,
Feto-placental
Keyword:
Ethyl loflazepate
,
Pregnancy
,
Neonate
,
Transplacental passage
,
Feto-placental
pp.1161-1165
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902317
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【抄録】 我々は,不安症状に対して出産前日までロフラゼプ酸エチルを服用していた妊婦および新生児の出産時と産後のロフラゼプ酸エチル血漿中濃度を測定する機会を得た。出産時の母体血漿中濃度は186.1ng/mlであり,臍帯静脈血中濃度は215.3ng/mlと母体の濃度の1.16倍であった。母体の産後3日,7日,32日の血漿中濃度はそれぞれ143.3,112.4,20.4ng/mlであった。一方,児の血漿中濃度は138.3,139.7,3.7ng/mlであった。児の7日目の濃度が3日目と変わらなかったのは,生後3日より12日まで母乳による授乳が行われており,本薬剤が乳汁より児へ移行したためと考えられた。これらの結果より,ロフラゼプ酸エチルは従来のベンゾジアゼピン系薬物と同様に高い胎盤通過性と乳汁移行性があり,妊産婦に対する投与には注意する必要があると考えた。
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