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私の臨床研究45年
生物—心理—社会的統合モデルとチーム精神医療(第4回)—ライフサイクル精神医学
Bio-Psycho-Social Integrated Model and Psychiatric Team Treatment: My Clinical Research 45 Years : Life Cycle Psychiatry
西園 昌久
1
Masahisa NISHIZONO
1
1心理社会的精神医学研究所
1Institute for Psychosocial Psychiatry and Psychoanalysis
pp.419-423
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902206
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ライフサイクル精神医学の提唱―神経症症状から見たライフサイクル
後にWHO事務局長になった中嶋宏さんがパリの国立研究所から帰国して日本ロシュ社に入られたことがあった。彼は日本の精神科医の間に神経症に対する関心の薄いことを憂えて全国的な研究会を作ることを提案された。その領域の教授たちのすすめもあってはじめのうちは大変な数の精神科医が集まっていた。しかし,ちょうど大学紛争の激しくなるのと時が一致し,また,本来神経症に特に興味がある人ばかりではなかったので急速にしりすぼりになって,最後は私一人残ることになった。その後,中嶋さんとは少なくとも月1回はあって議論する時期があった。彼が統計的処理をするのに専門家の便宜を図ってくれたので,私は神経症の分類を因子分析法を用いて行った。
もう1つ統計的処理を用いて研究したのが,今回紹介する「世代別にみた神経症病像の特徴」2)である。Freud, S. の精神分析理論のように数少ない症例についての深い洞察から神経症理解に至る方法とともに,数多くの症例についての統計的処理によって仮説の論証に努める方法があるはずである。私は精神分析治療によって前者の方法をとり,あわせて後者の方法も採用したのである。
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