Japanese
English
特集 「難治例」の臨床—治療に難渋する時の診断,治療,そして予防
治療抵抗性統合失調症の診断と治療
Diagnosis and Treatment of Treatment-Resistant Schizophrenia
岡田 和樹
1
,
金原 信久
2
Kazuki Okada
1
,
Nobuhisa Kanahara
2
1千葉大学大学院医学研究院精神医学
2千葉大学社会精神保健教育研修センター
1Department of Psychiatry, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, Japan
2Center for Forensic Mental Health, Chiba University
キーワード:
治療抵抗性統合失調症
,
treatment-resistant schizophrenia
,
クロザピン
,
clozapine
,
電気けいれん療法
,
electroconvulsive therapy
,
ドパミン過感受性精神病
,
dopamine supersensitivity psychosis
Keyword:
治療抵抗性統合失調症
,
treatment-resistant schizophrenia
,
クロザピン
,
clozapine
,
電気けいれん療法
,
electroconvulsive therapy
,
ドパミン過感受性精神病
,
dopamine supersensitivity psychosis
pp.1375-1382
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207414
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抄録
治療抵抗性統合失調症(TRS)は,標準的な抗精神病薬治療に対する反応性や耐容性が不良であるものとして定義される。TRSの形成機序の詳細は不明な点が多く,少なくとも異質性があると推定されている。その一部にはドパミンD2受容体の過感受性獲得が関与しているとする仮説もある。クロザピン(CLZ)はTRSに対する第1選択薬として推奨され,そのほかの治療として電気けいれん療法が選択肢となる。心理社会的治療の有効性も示唆されているが,エビデンスが限られており,今後研究の余地が大きい。よってTRSの治療において,適切な抗精神病薬治療が重要であり,抗精神病薬特有の有害事象にも配慮が求められる。エビデンスに基づいた治療を行いながらも,患者個々のニーズに応じた柔軟な対応を心掛け,最適な医療の提供を目指すことが求められる。
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