Japanese
English
特集 精神科医療の必須検査—精神科医が知っておきたい臨床検査の最前線
一過性意識消失の鑑別に必要な検査
Essential tests to aid the differential diagnosis of patients presenting with transient loss of consciousness
谷口 豪
1,2
,
加藤 英生
1,2
,
大竹 眞央
1,2
Go Taniguchi
1,2
,
Hideo Kato
1,2
,
Mao Otake
1,2
1国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部
2国立精神・神経医療研究センター病院精神科
1Department of Epileptology, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
2Department of Psychiatry, National Center of Neurology and Psychiatry
キーワード:
一過性意識消失
,
transient loss of consciousness
,
てんかん
,
epilepsy
,
失神
,
syncope
,
心因性非てんかん発作
,
psychogenic nonepileptic seizures
Keyword:
一過性意識消失
,
transient loss of consciousness
,
てんかん
,
epilepsy
,
失神
,
syncope
,
心因性非てんかん発作
,
psychogenic nonepileptic seizures
pp.855-865
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207009
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抄録
一過性意識消失(transient loss of consciousness:TLOC)は精神科臨床でも遭遇する可能性の高い発作症状であり,てんかん,失神,心因性非てんかん発作(psychogenic nonepileptic seizures:PNES)が原因であることが多い。これらの鑑別には本人の自覚症状,目撃情報そして病歴から発作症状を詳細に分析することが重要であるが,鑑別に有用な臨床検査も活用することで正しい診断に至る可能性が高くなる。てんかんを疑う場合には通常脳波検査はまず施行すべきであり,睡眠負荷によって発作間欠期てんかん性放電の検出率は高くなる。治療を開始した後もてんかん発作と思われるTLOCを繰り返す場合には長時間ビデオ脳波モニタリング検査の施行を検討する。この検査では発作を脳波とビデオで同時記録することによって,てんかんとPNESの鑑別などに役立つ。失神の原因もさまざまであるが,12誘導心電図は安価・簡便で無侵襲なので積極的に施行すべきであり,QT延長,Brugada症候群は突然死に至ることもあるので必ず評価するのがよい。
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