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短報
アスパラギン酸カリウムから塩化カリウムへの変薬によって低カリウム血症とアルカレミアが正常化した神経性やせ症過食排出型の1例
The Critical Role of Chloride in the Correction of Hypokalemic Metabolic Alkalosis in Bulimia Nervosa, a Case Report
枝 雅俊
1
,
工藤 大観
1
,
佐藤 安貴
1
,
黒川 健
1
Masatoshi Eda
1
,
Taikan Kudo
1
,
Aki Sato
1
,
Ken Kurokawa
1
1北海道立緑ヶ丘病院精神科
1Department of Psychiatry, Midorigaoka Hospital, Hokkaido, Japan
キーワード:
摂食障害
,
eating disorder
,
低カリウム血症
,
hypokalemia
,
塩化カリウム
,
potassium chloride
Keyword:
摂食障害
,
eating disorder
,
低カリウム血症
,
hypokalemia
,
塩化カリウム
,
potassium chloride
pp.253-257
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206856
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抄録
自己誘発性嘔吐を伴う神経性過食症ではしばしば低カリウム血症がみられ,これは時に致死性不整脈,呼吸筋を含む全身の筋力低下,非可逆性腎機能障害を引き起こすため,臨床精神医学の課題となっている1)。従来わが国ではこの種の低カリウム血症の補正にアスパラギン酸カリウムやグルコン酸カリウムが用いられてきたが2, 3),これらの薬剤によるカリウム補給は慢性重症例ではしばしば難治性となる4)。今回我々はアスパラギン酸カリウムから塩化カリウムへの変薬によって,難治性の低カリウム性代謝性アルカローシスが改善した症例を経験したので,報告する。
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