Japanese
English
特集 新型コロナウイルス感染症ただなかの精神医療
新型コロナウイルス感染症の治療スタッフのメンタルヘルス
Mental Health of Health Care Workers for Coronavirus Disease 2019(COVID-19)
高橋 晶
1,2,3
Sho Takahashi
1,2,3
1筑波大学医学医療系災害・地域精神医学
2茨城県立こころの医療センター
3筑波メディカルセンター病院精神科
1Department of Disaster and Community Psychiatry, Division of Clinical Medicine, Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
2Department of Community and Disaster Assistance, Ibaraki Prefectural Medical Research Center of Psychiatry
3Department of Psychiatry, Tsukuba Medical Center Hospital
キーワード:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
メンタルヘルス
,
mental health
,
リスクコミュニケーション
,
risk communication
,
良心の呵責障害
,
moral injury
,
戦略的支援者支援
,
strategic mental health care for medical staff and healthcare workers
Keyword:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
メンタルヘルス
,
mental health
,
リスクコミュニケーション
,
risk communication
,
良心の呵責障害
,
moral injury
,
戦略的支援者支援
,
strategic mental health care for medical staff and healthcare workers
pp.125-139
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206263
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
抄録 世界的な問題となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は日本でも色濃くなっている。長期化する対応の中で,国民のストレスは日々高く,慢性化している。
COVID-19対応の医療機関である病院では,COVID-19の治療に専念している治療スタッフは極度の強いストレスの中で対応している。関連する多くのスタッフの肉体的・精神的負担は大きく,蓄積しており,メンタルヘルスの悪化も叫ばれている。
感染症に伴うスティグマ,セルフスティグマ,誹謗中傷,行動免疫,良心の呵責,支援者支援などが,支援・対応する上でキーワードになると考える。災害の構造で考えると,医療者は被災者と支援者の両方の役割を持つ職種であると考えられ,高いストレスを抱えることがあり,さまざまな倫理的な問題に挟まれ,苦悩することもよくみられる。管理者が支援者支援を理解し職員を守るラインケア,そして,各職員も自分を守るセルフケアが重要である。医療面,経済面などトータルで対応の不安を減弱する戦略的な支援が必要である。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.