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特集 マインドフルネス療法は他の精神療法と何が違うのか?
仏教心理学からみたマインドフルネス
Mindfulness from the Stand Point of Buddhist Phycology
井上 ウィマラ
1
Vimala Inoue
1
1健康科学大学健康科学部福祉心理学科
1Department of Welfare and Psychology, Health Science University, Yamanashi, Japan
キーワード:
Mindfulness
,
Inter-subjectivity
,
Co-hypnosis
,
Disillusionment
,
Truth
Keyword:
Mindfulness
,
Inter-subjectivity
,
Co-hypnosis
,
Disillusionment
,
Truth
pp.683-692
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205850
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抄録 仏教心理学からみたマインドフルネスは,自我あるいは「私」という観念にまつわる身心相関現象をありのままに,かつ間主観的に見つめるトレーニング体系である。「私」という思いの発生から消滅までの全過程を繰り返しありのままに見守ることで,その仮想性と共同催眠性に気付き,「私」の有限性を受容して,「私」という幻を健全に使いこなすことを可能にしてくれる。解脱と呼ばれるマインドフルネスの最終目標地点に至る道のりでは,なれ親しんでいた「私」を手放す不安や悲しみを体験することもあるため,世間的な価値観を逆なでするような印象を持たれる可能性もある。臨床マインドフルネスが仏教心理学あるいは伝統マインドフルネスから学ぶには,「適応」という範囲を超えて,どうしたら自己超越のためにコンフォートゾーンから一歩を進めていくことができるのかという視点を開くことが必要であろう。
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