Japanese
English
特集 多様なアディクションとその対応
インターネットゲーム障害—現状とその対応
Internet Gaming Disorder
片上 素久
1
Motohisa Katagami
1
1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学
1Department of Neuropsychiatry, Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka, Japan
キーワード:
Internet gaming disorder
,
Internet addiction
,
Problematic internet use
,
PIU
,
Group psychotherapy
Keyword:
Internet gaming disorder
,
Internet addiction
,
Problematic internet use
,
PIU
,
Group psychotherapy
pp.173-179
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205540
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はじめに
インターネットは情報収集やコミュニケーションの一般的手段として,近年多くの人々を引きつけ我々の生活に急速に定着しつつある。しかし同時に極度にのめり込むことによりそれ以外のことを犠牲にしたり,不安や抑うつ症状を引き起こしたりすることから,日常生活および社会生活に支障を来すことも少なくない6)。わが国において,オンラインにおけるコンピュータゲーム(以下,オンラインゲーム)に依存することによる社会的な問題が顕在化しており,とりわけスマートフォンの急速な普及に伴いその懸念はより深刻になっている。
大阪市立大学医学部附属病院は,数年前よりインターネット使用障害に対する専門的治療を行っているが,若年者を中心として多くが没頭してしまうのがオンラインゲームである。今回,スマートフォンを含めたオンラインにおけるコンピュータゲームへの嗜癖であるインターネットゲーム障害の概念や現状,およびその心理的な背景,そしてその臨床について若干の考察を加えて報告する。とりわけ患者自身の動機付けにおいて難渋する場面も多々あるが,同院での診療の実態や症例についても触れたい。
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