Japanese
English
短報
突発的な呼吸困難感を認めパニック障害と診断されていたが側頭葉てんかんであることが判明した1例
A Case of Temporal Lobe Epilepsy that Required Differential Diagnosis from Panic Disorder
久田 絵美
1
,
大島 智弘
1
,
郷治 洋子
1
,
加藤 悦史
1
,
田所 ゆかり
1
,
兼本 浩祐
1
Emi HISADA
1
,
Tomohiro OSHIMA
1
,
Hiroko GOJI
1
,
Etsushi KATO
1
,
Yukari TADOKORO
1
,
Kousuke KANEMOTO
1
1愛知医科大学精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Aichi Medical University, Nagakute, Japan
キーワード:
Temporal lobe epilepsy
,
Simple partial seizure
,
Panic disorder
Keyword:
Temporal lobe epilepsy
,
Simple partial seizure
,
Panic disorder
pp.1031-1033
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205077
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はじめに
パニック発作を疑う際には背景に何らかの身体疾患を認める場合があり注意が必要であるが,その一つとして側頭葉てんかんの単純部分発作が挙げられる。一般に側頭葉てんかんでは自動症を伴う複雑部分発作を認めることが多く,また半数以上に単純部分発作があると言われており,上腹部不快感,既視感,未視感のほか自律神経症状として動悸,立毛,呼吸困難が,精神発作として恐怖感,離人感などが挙げられる1)。しかし,複雑部分発作や強直間代発作を認めずに単純部分発作のみのケースも存在するため,診断に苦慮する場合がある。今回我々は,突発的な呼吸困難感を認め近医にてパニック障害と診断されていたが側頭葉てんかんであることが判明した1例を経験したため,若干の文献的考察を含めて報告する。なお,報告にあたって個人情報を特定できないよう配慮した。
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