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私のカルテから
術後せん妄の既往があるせん妄ハイリスク患者に対する術前からのラメルテオン投与の試み
Perioperative Administration of Ramelteon to a Patient with a History of Postoperative Delirium
松原 敏郎
1,2
,
芳原 輝之
1,2
,
渡邉 義文
2
Toshio MATSUBARA
1,2
,
Teruyuki HOBARA
1,2
,
Yoshihumi WATANABE
2
1総合病院山口赤十字病院神経科
2山口大学医学部高次神経科学(神経精神医学)講座
1Division of Neurosychiatry, Japanese Red Cross Society Yamaguchi Hospital, Yamaguchi, Japan
2Division of Psychiatry, Department of Neuroscience, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
Delirium
,
Postoperative
,
Ramelteon
Keyword:
Delirium
,
Postoperative
,
Ramelteon
pp.359-362
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204914
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抄録
総合病院において入院患者のせん妄は,患者の身体的安全や治療に対する意思決定の妨げになり,入院生活に支障を来す。特に術後せん妄の発症は手術後の安静保持やルートの確保を困難にし,早期の回復が妨げられる。せん妄発症後は薬物療法や環境調整によって対応されるが,せん妄に対する最も望ましい対応策はせん妄そのものの出現を予防することである。今回,術後せん妄の既往があり整形外科の手術が予定されていた高齢患者に手術前日からラメルテオンを予防的に投与したところ,術後せん妄の出現をみなかった1例を経験した。ラメルテオンのせん妄予防効果が確認されたとともに,せん妄のハイリスク患者への対策の一つとなると思われた。
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