Japanese
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研究と報告
精神科の他科往診の経験—特にせん妄への対応
Experiences in Liaison-consultation Psychiatry for Delirous Patients
中島 亨
1,2
,
丹羽 真一
3
,
杉山 政則
4
,
重松 宏
4
Tohru NAKAJIMA
1,2
,
Shin-Ichi NIWA
3
,
Masanori SUGIYAMA
4
,
Hiroshi SHIGEMATSU
4
1NTT関東逓信病院精神科
2東京大学医学部精神医学教室
3福島県立医科大学神経精神医学教室
4東京大学医学部第一外科学教室
1Department of Neuropsychiatry, NTT Kanto Teishin Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Tokyo University
3Department of Neuropsychiatry, Fukushima Medical College
4Department of First Surgery, Tokyo University
キーワード:
Delirium
,
Postoperative
,
Liaison-psychiatry
Keyword:
Delirium
,
Postoperative
,
Liaison-psychiatry
pp.813-819
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903492
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【抄録】 他科から依頼のあった精神科からの往診例393例について検討を行い,そのうち一般外科からの31例の依頼例について受診の経緯や動機などについて詳細な検討を行った。疾患としては,393例全体でも,一般外科の31例をみてもせん妄状態が多くみられた。また,一般外科からのせん妄状態の例では術後に起こった例が多くみられた。さらに,一般外科への往診例4例を検討したところ,ジアゼパム,塩酸ヒドロキシジンなどの抗不安薬,抗ヒスタミン薬が一律に投与される傾向がせん妄の悪化と関連する可能性が示され,適切な抗精神病薬の使用の促進がせん妄への対処を改善する可能性が示された。
将来的に精神医学が,術後せん妄に対処していく上では,①精神薬理学的知識の普及と,②せん妄の重症度診断とそれに基づいた研究が重要であると考えられた。
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