Japanese
English
展望
神経症の臨床遺伝学的研究
Genetical Studies of Neuroses from a Clinical Viewpoint: A review
佐藤 新
1
,
飯田 眞
1
,
佐久間 友則
1
,
佐藤 哲哉
1
Arata Sato
1
,
Shin Ihda
1
,
Tomonori Sakuma
1
,
Tetsuya Sato
1
1新潟大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Niigata University School of Medicine
pp.904-917
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204764
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I.はじめに
おそらく多くの精神疾患は,単独に環境だけが作り出すものでもなければ遺伝のみで規定されているということもなく,遺伝と環境の複雑な相互作用gene-environment interactions74)によって,はじめて我々の前に現れてくる。例えば飯田(1983a)35)は次のように記す。
「氏か育ちか」という言葉が示すように,人間の個人的特徴を決定するものが,親から子に伝達される遺伝物質であるのか,個体に作用する環境条件であるのかをめぐって,これまで絶え間なく,二者択一的な論争が繰り返されてきた。
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