Japanese
English
研究と報告
精神分裂病に多発性骨髄腫を合併した1例—臨床症状の推移と脳波学的変化
A Case of Schizophrenia Combined with Multiple Myeloma
加藤 健
1
,
桜井 信幸
1
,
小林 節夫
2
Ken Kato
1
,
Nobuyuki Sakurai
1
,
Setsuo Kobayashi
2
1順天堂大学医学部精神医学教室
2川越同仁会病院
1Department of Psychiatry, Juntendo University School of Medicine
2Kawagoe Dojinkai Hospital
キーワード:
Schizophrenia
,
Multiple myeloma
,
Syndrome shift
,
EEG
Keyword:
Schizophrenia
,
Multiple myeloma
,
Syndrome shift
,
EEG
pp.1061-1065
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204216
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抄録 症例は昭和34年(25歳)に精神分裂病の診断をうけ,現在に至るまで治療的関与がなされていたが,昭和53年(44歳)に多発性骨髄腫を合併した。それ以後,精神病像が緊張妄想型より非定型病像へと移行し,かつ脳波的にも変化が認められたので報告した。
生化学的検査では,昭和53年にM蛋白血症が認められ,昭和59年に血尿が出現したため精査し,多発性骨髄腫が発見された。脳波では昭和56年以前に正常であったが,漸時増悪傾向を示し,昭和60年には,徐波群発,左右差,突発波が明確となった。精神症状は初回入院以降,緊張病性興奮を示していたが,昭和48年頃より上記症状に加え,意識,情動障害を伴う非定型病像へと病型移行が認められた。
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