Japanese
English
短報
分娩時における播種性血管内凝固症候群(DIC)に基づく顕著な痴呆の1例
On a Case of Marked Dementia due to Disseminated Intravascular Coagulation Syndrome (DIC) by Delivery
岡本 重一
1
,
山本 幸良
1
,
喜多 成价
1,3
,
田中 孝也
2
Shigekazu Okamoto
1
,
Yukiyoshi Yamamoto
1
,
Shigetomo Kita
1,3
,
Takaya Tanaka
2
1関西医大精神科
2関西医大救命救急センター
3現在,喜多クリニック
1Department of Neuropsychiatry, Kansai Medical School
2Department of Critical Care Medicine, Kansai Medical School
pp.351-353
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204125
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I.はじめに
分娩時における脳の出血や血栓など血管障害に基づく精神・神経障害の存在は古くより知られている。しかし,その多くの場合,血管障害の本態ないし原疾患は判然としておらず,したがってまたその予防ないし治療の対策もない。他方,播種性血管内凝固症候群(以下,DICと略記)は近年他の身体疾患に伴うものと並んで産婦人科領域においても関心が払われているが,主として急性期症状が問題にされており,また脳症状の出現・残存はあまり知られていないようである。
われわれは分娩時におけるDICにより重篤な脳症状を呈し,後日に顕宮な器質性精神・神経障害をのこした1例を経験したので報告し,文献的にもその可能性を考察する。
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