Japanese
English
展望
音楽と神経心理学—第2回
Music and Neuropsychology
渡辺 俊三
1
,
北條 敬
1
,
田崎 博一
1
,
佐藤 時治郎
1
Shunzo Watanabe
1
,
Kei Hojo
1
,
Hiroichi Tasaki
1
,
Tokijiro Sato
1
1弘前大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Hirosaki Universlty School of Medicine
pp.6-14
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203876
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VII.臨床
失音楽症の臨床を文献的にみると,失音楽症の約10分の7は失語症を有しているという7)。しかも,運動性の失語症では音楽障害も表出性のもので,受容性の音楽障害は語ろうとかWernicke失語がみられ,音楽性の失書7例中4例が失語面で失書がみられ,音楽性失読6例中3例に言語性の失読をみたという。健忘失語では音楽面はほとんど障害されていなかったが曲名を思い出せなかった例もある。
以上は失音楽症と失語症の質的関連の高いものであるが,逆にその数は少ないものの質的に異なる関係のものがある。前述のEdgren28)の第17例は失語面で語唖・失書・語盲を有しているが,失音楽症ではメロディーろうという聴覚的障害がみられる。Kleinら(1956)63)の語ろうの例で復唱の障害があったが,聞きなれたメロディーはほとんど認知できた。
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