Japanese
English
研究と報告
精神科治療を継続している遅発性ジスキネジア患者の5年後の経過観察
A Five-year Follow-up Study of Tardive Dyskinesia in Patients with Continous Psychiatric Treatment
越野 好文
1
,
倉田 孝一
2
,
伊崎 公徳
1
,
山口 成良
2
Yoshifumi Koshino
1
,
Koichi Kurata
2
,
Kiminori Isaki
1
,
Nariyoshi Yamaguchi
2
1福井医科大学神経精神医学教室
2金沢大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Fukui Medical School
2Department of Neuropsychiatry, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
Tardive dyskinesia
,
Follow-up study
,
Antipsychotic drug
Keyword:
Tardive dyskinesia
,
Follow-up study
,
Antipsychotic drug
pp.503-511
発行日 1984年5月15日
Published Date 1984/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203759
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抄録 遅発性ジスキネジア(Tardive dyskinesia,以下TD)患者46人(男子17人,女子29人)の5年後におけるTDの変化を調べた。初回調査時の年齢は37〜71歳で,平均年齢±S. D. は56.6±9.3歳,原疾患の平均罹病期間は24.1±8.6年であった。5年の間,主治医の判断による精神科治療が継続された。ただ,初回調査時既に抗精神病薬を服用しなくなっていた例が4人あり,さらに3人が,5年の間に抗精神病薬を中止された。
5年後にTDが軽快した例は9人,不変の例は26人,そして悪化した例が11人であった。悪化例の平均年齢は59.9±8.1歳で,不変例の57.6±9.6歳および軽快例の49.7±5.3歳より有意に高齢であった。原疾患の平均罹病期間も,悪化例が26.1±7.0年,不変例は24.7±8.1年そして軽快例は20.2±10.2年で,有意でないが,悪化例が長い傾向があった。性別,初回調査時の服薬量,経過中の服薬量の変化,原疾患,身体的合併症の有無TDの重症度や出現部位とTDの変化との間には有意な関連はみられなかった。
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