Japanese
English
研究と報告
新抗うつ薬zimelidineの臨床評価とうつ病患者の血漿中zimelidineおよびnorzimelidine濃度
Clinical Evaluation of a New Antidepressant Zimelidine and Plasma Levels of Zimelidine and Norzimelidine in Depression
中河原 通夫
1,2
,
石井 一平
1
,
仙波 純一
1
,
仮屋 哲彦
1,2
Michio Nakagawara
1,2
,
Kazuhira Ishii
1
,
Junichi Senda
1
,
Tetsuhiko Kariya
1,2
1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
2山梨医科大学精神神経医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
2Department of Psychiatry and Neurology, Yamanashi Medical College
キーワード:
Zimelidine
,
Sulpiride
,
Depression
,
Clinical evaluation
,
Plasma norzimelidine level
Keyword:
Zimelidine
,
Sulpiride
,
Depression
,
Clinical evaluation
,
Plasma norzimelidine level
pp.1099-1108
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203660
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
(1)二環系抗うつ薬zimelidineをうつ病およびうつ状態の患者23例に1日50〜250mg,1日2回服用させ,4週間使用した後,その効果判定をHalniltonうつ病評価尺度とBeckうつ病評価尺度を用いて検討した。
(2)全般改善度は著明改善12例(52%),中等度改善以上19例(83%),軽度改善以上20例(87%)であった。項目別の改善度は,Hamiltonうつ病評価尺度では,抑うつ気分,精神運動抑制,精神的不安,体重減少の項目が,また,Beckうつ病評価尺度では,悲哀感,不満,罪悪感,つきあい,決断力,疲労感,食欲,体重の項目が高い改善率を示した。
(3)副作用では口渇,発汗,便秘などが認められたが,いずれも軽度であり,それにより,服用が中止となることはなかった。臨床検査は,服用開始時に異常値を認めなかった症例ではzimelidine服用4週後にも臨床上問題となる異常を認めなかった。
(4)Zimelidineとsulpirideを併用した症例は,単相性うつ病3例,反応性うつ病2例,神経症性うつ病3例の計8例であった。これらの症例では,いずれの症例も著明改善もしくは中等度改善を示した。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.