Japanese
English
研究と報告
一緊張病者の「回遊」現象に関する命題論的考察
A Study of the "Rounding" Phenomena in a Catatoniac by the Propositional Theory
仲谷 誠
1
,
小見山 実
1
,
藤谷 興一
1
,
渥美 義賢
1
,
亀井 真理子
2
Makoto Nakaya
1
,
Minoru Komiyama
1
,
Koichi Fujiya
1
,
Yoshinori Atsumi
1
,
Mariko Kamei
2
1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
2山田病院
1Dept. of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
2Yamada-Hospital
キーワード:
Catatonia
,
The propositional theory
,
Substantialization ("Kobutsuka") of the matter ("koto")
Keyword:
Catatonia
,
The propositional theory
,
Substantialization ("Kobutsuka") of the matter ("koto")
pp.23-29
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203524
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抄録 分裂病者の陳述を命題論的に検討する場合,例えばvon Domarusのように,論理性や思考過程の面で考察することもできるが,命題の中には,このような概念思考的判断だけでなく,ある知覚現場における判断として,特定の体験内容を示すものもある。ここでは,緘黙と昏迷状態から回復するにつれて奇妙な言動を示した一緊張病者を報告し,この言動中にみられた奇妙な命題を取り上げ,命題論的検討を試みた。これらの命題は,ある知覚現場での判断として,その体験野の特性を示していると考えられ,考察の結果,当の体験野の形式を<ことの個物化>として規定することができた。さらに寛解過程を検討し,<ことの個物化>の観点から,昏迷状態から寛解し退院するまでの経過を考察した。
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