Japanese
English
特集 リチウムの臨床と基礎—最近の話題
内科領域におけるリチウム療法—血液疾患
Lithium for the Treatment of Hematologic Disorders
高久 史麿
1
Fumimaro Takaku
1
1自治医科大学内科
1Dept. of Internal Medicine, Jichi Medical School, School of Medicine
pp.193-197
発行日 1982年2月15日
Published Date 1982/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203381
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I.はじめに
リチウムがヒトおよび実験動物で顆粒球数の増加をもたらすことは,すでに1950年代においていくつかの論文で報告されているが,躁うつ病の治療にリチウムがひろく用いられるようになった1960年代の後半からリチウムによるヒトの顆粒球増加症が次第に注目されるようになった。特にO'Connell1),Murphyら2),Shopsinら3)が1970〜1971年にかけてあいついでリチウム治療中の患者にみられる顆粒球増加症を報告をして以来,リチウム塩による顆粒球の増加がひろくみとめられるようになり,臨床的にいろいろな原因によっておこってきた顆粒球減少症に対してリチウムを投与することが試みられてきた。
本稿においてはリチウムによる顆粒球の増加とその機序,顆粒球の機能に及ぼす影響,顆粒球以外の血球への影響およびリチウム投与の血液異常に対する臨床的効果について概説する。
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