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特集 失行
構音失行の診断上の2,3の問題点について
Diagnostic Problems in Articulatory Apraxia
重野 幸次
1
Koji Shigeno
1
1伊豆韮山温泉病院内科
1Dept. of Internal Medicine, Izu Nirayama Onsen Hospital
pp.1033-1040
発行日 1981年10月15日
Published Date 1981/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203325
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Ⅰ.緒言
構音失行(articulatory apraxia)は,脳損傷による話しことば(語音表出)の障害で,構音筋群(口唇,咽頭,舌)に運動麻痺や協調運動障害がないにもかかわらず合目的かつ意図的構音(発話)が損われている状態をいう。構音失行は純粋例をみることは稀で,ふつう運動性失語症の主症状としてみられるが,これまでこの症候に与えられた数多くの呼称に象徴されるよう,その病態の解釈,一臨床症候としての独立性については未だ統一された見解がないのが現状である。筆者は,本小稿においてまず失行症という立場からこの症候の臨床診断上の幾つかの留意点を述べる。次に今日に至るまで用語上の混乱を招いた経緯を整理した上自験症例より本症候の臨床的特徴,および失語症(特に運動性失語症)との鑑別点について述べてみたい。
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