Japanese
English
研究と報告
幻覚・妄想を伴ったPickwick症状群の1例
A Case of Pickwickian Syndrome Presenting Psychotic State with Delusion and Hallucination
磯野 五郎
1
,
星 昭輝
2
,
久場川 哲二
1
,
田村 喜三郎
1
Goro Isono
1
,
Akiteru Hoshi
2
,
Tetsuji Kubagawa
1
,
Kisaburo Tamura
1
1大泉病院
2慶応義塾大学精神神経科
1Oizumi Mental Hospital
2Dept. of Neuropsychiatry, Keio University, School of Medicine
pp.991-998
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202989
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I.はじめに
睡眠過剰(hypersomnia)20)を呈する代表的疾患にnarcolepsyとPickwick症状群(PWSと略す)がある。前者には多彩な精神症状が随伴することが知られているが10,11,24),PWSに関しては性格特徴が報告されているのみで,3,6,21,23),少なくとも本邦においては,精神障害と判断されるような精神症状を伴った例は未だ報告されていない。海外においても,われわれが調べた範囲では,幻覚(幻視)を伴ったGuillerninaultら6)の例の他には夢中遊行様のエピソードが報告されているにすぎない4,6)。
今回,われわれは幻聴や関係・被害念慮などの異常体験を伴ったPWSの1例を経験したのでポリグラフとともに報告し,若干の考察を試みたいと思う。
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