動き
欧州の児童精神医学事情—Ⅰ.欧州学会の報告と独・仏・英の現況
作田 勉
1
Tsutomu Sakuta
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
pp.1101-1108
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202543
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I.はじめに
児童精神医学は,小児および思春期の精神障害を取り扱う医学部門である。日本では,未だに一般精神医学内の一部門として研究および診療がなされているが,欧米では既に一つの独立した医学部門として扱われている。歴史的にみると,一般精神医学および小児科学から次第に分離したものであり,完全に独立してから諸外国においても未だ日の浅い新しい学問である。しかし,内容的には,精神医学,心理学,教育学,社会学,などの広い分野を包含している。ところが,諸外国事情の紹介が少ない。そこで,筆者は,昭和50年6月から7月にかけて「第5回欧州児童精神医学会」に参加し,その後,欧州各主要大学の児童精神医学教室を1カ月余にわたって訪問する機会を得たのでここに紹介する。
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