Japanese
English
短報
Sodium Dipropylacetate投与により白血球減少を生じた1例
A Case of Leucopenia, Produced by Sodium Diplopylacetate
福島 裕
1
,
工藤 信夫
2
Yutaka Fukushima
1
,
Nobuo Kudo
2
1弘前大学医学部神経精神医学教室
2弘前精神病院附属弘前てんかん研究所
1Dept. of Neuropsychiatry, School of Medicine, Hirosaki University
2Hirosaki Epilepsy Research Institute
pp.187-189
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202445
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1.はじめに
Sodium dipropylacetate(Depakene,以下DPA)は,従来の抗てんかん剤にみられない広い有効スペクトルを有する画期的な抗てんかん剤として登場したものであるが,その副作用が比較的軽微であることも本剤の優れた特色とされている。すなわち,副作用としては睡気,失調などの中枢神経症状,嘔気,食思不振などの消化器症状が多く報告されているが,いずれも減量により容易に改善されるという。一方,肝機能,腎機能に対する重篤な副作用の報告はない1〜11)。また,末梢血に対する副作用もないとされ1,2,4,6),本邦での報告11)をみるに,2報告7,9)の3例に白血球減少の記載があるものの,各報告者とも白血球減少の原因としての本剤の役割については否定的な見解を述べている。結局,現在までのところ,DPAの副作用としての白血球減少症の出現は認められていないといってよい。
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