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研究と報告
てんかん患者にみられた精神分裂病様幻覚・妄想状態について—第2報 精神症状と発作,脳波変化との関連
Studies of Schizophrenia-like Psychosis in Epilepsy: Ⅱ. Correlation between Psychiatric and Epileptic Symptoms
山内 俊雄
1
,
木村 直樹
2
,
藤枝 俊儀
1
Toshio Yamauchi
1
,
Naoki Kimura
2
,
Toshinori Fujieda
1
1北海道大学医学部精神医学教室
2市立札幌病院附属静療院
1Dept. of Psychiatry and Neurology, Hokkaido University School of Medicine
2Section of Neuropsychiatry, Sapporo Municipal General Hospital
pp.929-938
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202367
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I.はじめに
てんかん患者の一部でみられるいわゆる"てんかん精神病"は急性にみられる精神病様状態(acute psychosis in epileptics)と慢性にみられる状態(chronic psychosis in epileptics)に分けて考えられること6)が多いが,これらは現象的にも発現機序の上からみても,いくつかの異なった種類のものが含まれているとの考え方が一般的であり,そのような観点からこれを分類し,その本態を明らかにしようとの試みがなされてきている。とくにLandolt15)は,てんかん患者にみられる慢性精神障害を,てんかん性病変とそれに対する周囲組織の反応の仕方から,異なる病態生理学的機序を考え,それぞれに応じて脳波の律動異常,限局性異常,強制正常化像(forcierte Normalisierung)の所見ならびに臨床像,治療上の問題点について述べている。
しかしながら,実際の臨床場面においては各症例を厳密に区分することが困難な場合が少なくなく,また発作頻度や脳波所見が精神症状といかなる関連を有するのか,あるいはまた,それぞれの所見が何を意味しているのか判断に苦しむ場合が多い。この点に関してLandoltは,いくつかの原因が互いに関係しあっていて,しかも時によってそれぞれの原因の関与のしかたが異なるので,てんかんの精神症状はきわめて複雑なものとなり,精神病理学上も混合型であるのがふつうで,純粋型は例外的でさえあると述べている15)。
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