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Affective disorder—Studies with amine precursors/Interaction of medical, biologic, and behavioral factors on aging, adaptation, and survival An 11 year longitudinal study
古賀 良彦
1
,
吉田 弘宗
1
1慶大精神神経医学
pp.680,715
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202339
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最近アミン仮説に基づき,躁うつ病患者に対してアミン前駆物質を投与する試みがいくつかなされている。この報告もその1つであるが,従来はカテコールアミン系のL-dopaもしくはインドールアミン系のL-tryptophanの単独投与による報告しかなされていなかったのに対し,ここでは両者を同時に投与する方法がとられている。これはL-dopaを単独で投与すると,逆にL-tryptophanの代謝回転を低下させてしまう可能性があるので,それを防ぐために同時にL-tryptophanを与えることによって脳内の両アミンの代謝回転を促進させようという目的でとられた方法である。
しかし実際には,著者らの意図に反してあまり良い結果は得られていない。すなわち,両者を投与したうつ病患者(単極型3例,双極型2例)の中で改善を示したのは1例(単極型),少しずつ改善したが偽薬投与期間に反転のなきもの1例,変化のみられなかったもの2例,悪化したもの1例(投与期間中に自殺企図あり)という結果である。
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