Japanese
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資料
岐阜県における高齢の精神病入院患者の調査
Untersuchung der über 60-jährigen stationierten Patienten und die Krankheitsausgänge der mehr als fünf Jahre Stationierten
杉本 直人
1
,
森崎 郁夫
1
,
赤座 叡
1
,
天野 宏一
1
,
四十塚 龍男
2
,
関谷 重道
3
,
三輪 登久
4
,
水野 隆正
5
,
杉山 昌人
6
,
広瀬 靖男
7
Naoto Sugimoto
1
,
Ikuo Morisaki
1
,
Satoru Akaza
1
,
Koichi Amano
1
,
Tatsuo Shijuzuka
2
,
Shigemichi Sekiya
3
,
Takahisa Miwa
4
,
Takamasa Mizuno
5
,
Masato Sugiyama
6
,
Yasuo Hirose
7
1岐阜大学医学部神経精神医学
2慈恵中央病院
3不破関病院
4美濃加茂病院
5大湫病院
6荘川診療所
7須田病院
1Aus der psychiatrischen-und neurologischen Klinik, Universität Gifu
2Zikei Geisteskrankenhaus
3Fuwanoseki Geisteskrankenhaus
4Minokamo Geisteskrankenhaus
5Okute Geisteskrankenhaus
6Klinik des Shokawa Dorfs
7Suda Geisteskrankenhaus
pp.411-420
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202308
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昭和48年6月30日現在で,岐阜県下の全精神病院に入院している満60歳以上の患者を調査し,前回の調査結果(昭和43年12月31日現在)と比較し,次のことを論じた。
(1)今回の調査では60歳以上の患者の比率が前回のそれより増加しており,統計学的にも有意の差であり,人口構成における老齢化を反映していると考えられる。
(2)前回の結果に比し,今回の結果では老年精神病の患者の比率が減少しており,これは統計学的に有意であって,今回の結果における分裂病患者の比率の増加と相関していると考えられた。このことは高齢で幻覚・妄想を前景として発病し,老年精神病あるいは分裂病と診断されるごとき精神病の診断学上の問題点としてとらえられるとともに,このような精神病は初発病年代,転帰などの観点から疾病論的な,また病因論的な問題を提起することを論じた。
(3)分裂病と診断されている患者では退院できないものがかなりある。しかし軽快あるいは寛解退院するものもかなりあり,死亡退院は少ない。老年痴呆,動脈硬化症では死亡退院が多い。
(4)老年痴呆と診断されている患者に現在寛解状態にあるものが少数ではあるがあり,われわれの老年痴呆の診断基準に問題があることを論じた。
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