Japanese
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研究と報告
ロールシャッハ・テストにおける立体反応(Vista)の精神医学的意味
Psychiatric Meanings of Vista in Rorschach Test
細木 照敏
1
Terutoshi Hosoki
1
1東京大学医学部精神衛生学教室
1Dept. of Mental Health, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.145-153
発行日 1973年2月15日
Published Date 1973/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201984
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I.はじめに
ロールシャッハ・テスト(以下ロ・テストと略記)の反応決定因子において,研究者の間で,最も問題をのこしているのは,インクのしみ図版の灰色の濃淡を知覚的手懸りとして生ずる陰影反応の系列である。
この系列には大別して(i)黒白を含め,陰影を色としてとらえるもの。(ii)物の表面のきめ,肌あい,材質感としてとらえるもの。(iii)それを3次元的な立体として,あるいは拡散としてとらえるもの,の三つのsubgroupが分離できるといわれてきた。しかしこれらの下位グループのうち,前2者がある程度明確に同定できるのに対し最後のもの,すなわち3次元的な立体反応は,その分離,同定が必ずしも容易でなく,またその出現頻度が少ないこともあって,今日までその臨床的意味について,はっきりした定説がない。
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