Japanese
English
特集 作業療法
精神科作業療法と健康管理
Psychiatric Occupational Therapy and Physical Care
藤井 洋男
1
,
若生 年久
1
,
平野 直
1
,
沖之島 貞子
1
,
竹内 貞子
1
,
加藤 孝正
1
,
井上 正吾
1
Hiroo Fujii
1
,
Toshihisa Wakoh
1
,
Tadashi Hirano
1
,
Sadako Okinoshima
1
,
Sadako Takeuchi
1
,
Takamasa Kato
1
,
Shogo Inoue
1
1三重県立高茶屋病院
1Mie Prefectural Takajaya Mental Hospital
pp.139-144
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201855
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I.はじめに
精神科作業療法を有効に行なうには,病者の心理的側面や,病者をとりまく社会的因子について充分考慮すべきは当然であるが,さらに,病者の身体的側面,すなわち,体力や知覚機能,行動特性といったものにも深い配慮が必要である。精神病者の大多数は内科的にとくに問題はないのが普通である。しかし,このことは身体面で問題がないということではない。長期間病院生活を送っている病者は,一見して,体つき,姿勢,歩行の仕方,動作,機敏さ,持久力,集団内での行動様式等々の面で,健康者と異なるなんらかの異常を示すことが多い。
リハビリテーションを促進するには,このように一見臨床の対象にならないようにみえる異常をも見逃してはならない。これらの"特徴"は精神病そのものに随伴する本来的なものか,あるいは長期にわたる自閉的,非社会的な生活態度による2次的なものか,あるいは長期間の向精神薬服用による副作用的なものか,ただちに結論づけることは困難かも知れないが,ホスピタリズムが重要な原因をなしていることは疑う余地がない。
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