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紹介
外国における精神科専門医制度とその実態—ドイツ篇
Über die Weiterbildung zum "Facharzt für Psychiatrie" in der Bundesrenublik Deutschland
宮本 忠雄
1
,
藤森 英之
2
Tadao Miyamoto
1
,
Hideyuki Fujimori
2
1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
2東京都立松沢病院
1Psychiatrische and Nervenklinik der Tokio Ika-Shika Universität
2Matsuzawa Psychiatrisches Krankenhaus
pp.525-530
発行日 1970年6月15日
Published Date 1970/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201631
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I.はじめに
ドイツの都市へいくと,街なかでよく“Augenarzt医学博士何某”とか“Zahnarzt医学博士何某”と書かれた小さな標札が門や入口のところにつつましくかかっているのを見かける。そのなかにまじって,数は少ないが,時おり“Nervenarzt”という標札が見つかることもある。いうまでもなく,これらはみな専門医Facharztの呼称であって,“Nervenarzt”は精神科専門医Facharzt fur Psychiatrieの別名にほかならない。
ドイツで専門医を規定しようというこころみはすでに今世紀の初頭にはじまるといわれるが,制度として規定されたのは1924年になってからである。その後も,医学の進歩や専門化にともなって規定はいくたびか改変され,現行の専門医制度Facharztwesen(もしくはWeiterbildungsordnung)が発足したのはようやく1956年のことである。この法規は,それ以後も絶えず論議され,いくらかの変更もうけてはいるが,ドイツ共和国のそれぞれの州における専門医制度の規定の範例となっている。
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