Japanese
English
研究と報告
精神症状の発現の季節と周期性について
Season and Patterns of Onset of Psychotic Symptoms
阿部 和彦
1
Kazuhiko Abe
1
1大阪市立大学医学部精神神経科
1Dept. of Psychiatry, Osaka City University, Medical School
pp.135-141
発行日 1970年2月15日
Published Date 1970/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201581
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Ⅰ.まえがき
季節,気候および天候の変化と精神科疾患の発病または病像の変化との関係についての考察は,ギリシャ時代のヒポクラテスに始まり現在に至るまで,種々の研究や仮説が発表されている。われわれの日常診療においても,いわゆる「木の芽立つころ」と昔からいわれているように,春になると入院患者数は増加するし,患者によってはある季節にきまって発病する傾向をもち,本人または家族が何とかしてその時期に発病または症状の悪化を防こうと努力するなど,季節的因子の影響は無視できないように見うけられる。また比較的まれではあるが,一定の間隔をおいて周期的に再発をくり返す症例もある。
著者は,とくに観察や統計的事実を重要視しはじめた19世紀初期のフランス学派以来のこの方面の主な文献を展望し,それに著者自身が得た結果を加えて参考に供したい。
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