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資料
大学生医学教育における精神医学の動向について
Psychiatry in Undergraduate Medical Education
室伏 君士
1
Kunshi Murohushi
1
1順天堂大学精神科
1Dept. of Neuropsychiat., Juntendo Univ.
pp.317-323
発行日 1969年4月15日
Published Date 1969/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201466
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はじめに
この数年来,わが国の医学教育制度は,改革の大きな試練の前に立たされている。しかもその特色は,医学の発展に伴うその教育の進歩の本質からよりも,むしろその積弊の制度の体系を改革しようとする意図からのものであり,また医学教育の基盤となるundergraduateの教育からではなく,実地修練や実践にかかわるgraduateあるいはpostgraduateの側面からのものである点にあろう。このような風潮の中にあつて,われわれ医学生の教育にたずさわるものは,その中に潜在するundergraduateの教育についても,マンネリ化しやすい制度の実状をふりかえりみすえつつ,日進月歩の近代医学の進歩に照らして,これからの医学教育に通ずるあり方を認識していなければならないと思う。精神医学におけるundergraduate educationもまさにその例に洩れないものである。いうまでもなくundergraduateの教育は,graduateおよびpostgraduateの教育の3者の中での一環として考えらるべきものであるが,現在,ともすればかげにまわりがちのこのundergraduateの精神医学の教育について,諸外国の動向と,わが国の実情を考えあわせて述べてみるが,そこに生れるものが,読むひとの考えの一助ともなれば,意味あることと考える。
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